『8月』
どうも、みなさん。
お久しぶりです。
劇団テアータ‘80の藤本です。
▼アトリエくまで放心する藤本
県内外と新型コロナウイルスの発生を気にする日々が続いておりますが、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
最近の演劇事情はと申しますと、お盆に行われた「演劇大学in徳島」に参加していました。
その辺りは、また後日にまとめようと思いますのでお楽しみに。
▼「演劇大学in徳島」
そんで、最近は、趣味などに使える時間が増えたということで、見れるようになったアマプラとかWOWOWで、映画とかドラマを見ていたので、それの感想なんかをまとめました。
なんか、皆さんの時間つぶしぐらいになったらいいかなと思います。
あくまでも、感想なんで、全部を説明しているわけでもないし、端折ってます。
僕、批評家とかでも考察班でも検証班でもないんで。
そこらへんはさっぴいて読んでください。
何も考えていないんで、唐突にネタバレとかもありえますんで。
そこらへんもご理解の上、下に進んでください。
『ミスミソウ』
「最も切なくて、最も美しく残酷なトラウマ・サスペンス」
「卒業まであと2ヶ月―。私ね、人を殺したの。」
「家族が焼き殺された日、私は復讐を決めた。」
「ハイスコアガール」で有名な、押切連介(おしきり・れんすけ)先生のマンガ実写化作品。(個人的には、「ゆうやみ特攻隊」「焔の眼」も好きです)
原作マンガも、以前に購読済みです。
未読ですが、小説版もあります。
あらすじ自体はね、まあ、よくある話なんですよ。
主人公の女の子と家族が東京から田舎に引っ越して、そんで主人公は地元の中学校に通ってるっていう。(開始時点で、確か転校してから半年ぐらいは経ってたと思う)
こういう系って、今時だったら、現実に即した地方の特産とか、観光とかも交えながらの、聖地的なね、なんかそんな感じの日常ほのぼの系じゃないですか。
都会から来た主人公が、田舎のおおらかな同級生たちと、自然に触れたり、学校の部活でわきあいあいとしたり、田舎っていいな、みたいな。
そういうのじゃない。
そもそもキャッチの時点で、不穏感しかない。
「ミスミソウ」は、都会からやってきた主人公が、「よそ者」という理由で、徹底的にいじめられ、クラスメイトの更なる標的として焼き殺された、家族のために、復讐を行う話。
主人公自体は、家族が殺された瞬間とかは見てなくて、燃えてる家を見ただけ。
(ちなみに、父母は焼死、妹は生存したが、全身やけどでミイラ状態で入院中)
とはいっても、やっぱり、クラスメイトだし、いざ殺そうと思ったら、こう、脳裏にね、教室での暖かい一幕が掠めて、とかもない。
主人公が徹底的にやる、というのが、このミスミソウのいいところであり、やばいところ。
それをやるに至ったことしてるし、本当に自業自得としか言い様がない。
警察とかなんでもかんでも動きそうなもんですが、そこは目をつむる。
まあ、実際クラスメイトのやってることやばいよ、いや、言わんでもわかるけど。
もうね、やばい、胸くそ悪いどころじゃない。
ほんまに一番怖いの普通のやつよ。
こんなん、どこにでもいそうじゃん。
ちなみに、この映画、一切暖かはない。
一切は言い過ぎですけど、多少はありますよ。
殺伐とした中の、すがれるところと言うか、復讐の間の休息ポイントみたいな。
最終的にそんな小さな希望を、折り曲げられて、潰さざるをえないところも、本当につらい。
実際ね、主人公がナイフとか鉄パイプとかボーガンとか使って、クラスメイト殺し回る流れは、見慣れてきたら処刑用BGMというか、赤コート怖すぎで、ちょっと笑えてくるぐらいなんですよ。
赤コートが画面に映ったら、お、来た、って思えるぐらいには順応します。
加担したクラスメイトも、いじめっこグループの7人(男3、女4)なんで、別にクラスメイト全殺ってわけでもないです。
みんな殺す道具とかはいたって普通なんですけど、殺す殺される過程に工夫が見られるので、そこに注目するのも面白いです。
ちなみに、小説版はいろいろあって、学校のいろんな人が死ぬらしいです。
主人公のせいではないけどね。
(そのあたりは、原作マンガも読んだら面白いです)
ちなみに、映画版は、マンガとかと違って、重要キャラが生き残ります。
生き残った方が、良心の呵責とか、後悔とか、そんなのが多そうだから、いいと思います。
きれいな感じで映画も終われるし。
ちなみに、主人公家族は、祖父を残して、みんな最終死にます。
おじいちゃんがね、主人公にとって、視聴者にとっても、ひとつの安心ポイントだから。
とりあえず、この作品を見たとして、こう気持ちが上がるっていう人は少ないと思うので、とことん追い詰められる主人公とか、サスペンスとか、そういうのが好きな人におすすめです。
基本的にみんなぶっとんでるので、感情移入云々とかではないと思う。
でも家族を殺されたときの絶望感とか、信頼していた人に裏切られるとか、普通のやつの何気ない行動や考え方(この映画で言えばいじめのほか、人に好かれたい、仲良くしたい、認められたいという考え方の行き過ぎ)が一番怖いんじゃないの、っというところが思うところ。
はい、そういうわけで『ミスミソウ』の感想でした。
長い。
ほんとは、あと2つぐらい感想言おうと思っていたんですが、長すぎたんで、消しました。
次回は、舞台的な話をしたいと思います。
テアータの公演の話もね。
藤本でした。
また会う日まで。
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